TIMEDOMAIN
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―オーディオと音楽・タイムドメイン―
「Stereo Sound No.80夏号」(1986年)掲載カタログより

『チェロのソロがポーンと空間を一つ開けて「立って」いるのを聴くことができますか?』

●ストラヴィンスキーの舞踊組曲「火の鳥」のなかから、「ロンド」を、レナード・バーンスタイン指揮イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、聴いてみましょう。一連のバーンスタインのライブ録音は非常に熱気があって、音楽的な意味ではすばらしいものですが、聴衆が入っているので、マイクをかなりオンに持っていくなど録音条件には制約があります。しかし、このグランセプターで聴いてみると、それぞれの音の音色の輝き、それぞれの楽器の音の伸びが非常に自然に、まったく違和感なく伸びていて、スタジオ録音と比べてもあまり遜色が感じられません。

●「ロンド」は美しいメロディーがでてくるところですが、ここで、音楽のフレーズをいかに歌わせるか、いかにバックの音を情景にしてメロディーを歌わせるか.....それは指揮者の腕のみせどころですが、やはりこの部分での聴きどころはソロを使うことです。たとえば、一番最初、オーボエが出てきて、それを受けてチェロのソロが出てきます。これらのソロの音を内へこもらさないよう、音色を外へ明るく出すために、ソロ以外の伴奏に回っている弦楽器には弱音機をつけ、音を少しこもらせています。これによって、ソロのメロディーは、そこからポーンと一つ空間をあけて、抜け出したような、「立った」音となっています.....弱音機をつけているのか、いないのか?奏者自身の奏法によって音が立っているのか、こもっているのか?.....そのちがいを一つのメロディーの中にも柔軟につけています。その音の違いをグランセプターは克明に出してくれています。時間の歪みを完全に取り除いているスピーカー・システムだからこそ可能なことです。

●音を立たせて、メロディーをたっぷり歌い、そしてフレーズをおさめてゆくときには、逆に音をこもらせて消していくという、そういう柔軟なニュアンスを、奏者側が微妙につけているし、また指揮者も当然それをねらっているわけですが、それが非常に鮮やかに出しています。これはメロディーの歌わせかたの根本ですから、そのあたりの微妙な音を聞かせるということは音楽としてきわめて重要であると言わざるを得ません。

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