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―オーディオと音楽・タイムドメイン―
「Stereo Sound No.71夏号」(1984年)掲載カタログより

『マーラーの「響き」を再現できるか?』

●音楽をより深く聴き込んでいこうとすればするほど、私たちは、今日のスピーカーが、音楽の再生にとって、あまりにも不完全であることに、痛いほど気付かされるのです。

●たとえば、マーラーの交響曲第一番『巨人』の序奏.....、コントラバスが三部に分かれていて、その一つのパートだけが、ふつうの奏法と音域で奏でられ、コントラバスの残りの二つのパートと、第一、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、三部に分かれたチェロのすべてがフラジョレットという奏法で、笛のような神秘的な音色を持つ、高域の倍音を奏で、全体的にきわめて透明なエーテル的音域を作り出しています。これは、マーラーの交響曲のなかでも、とりわけ美しいところでしょう。このように、弦が精緻なバランスで響き合っている、その部分と全体の関係を、精密に、しかも雰囲気ゆたかに、再構成するということを、完全にやってのけようというのは、 スピーカーに奇蹟を求めるようなことなのかもしれません。

●私たちは、スピーカーについて、根本的に再検討を進めた結果、『時間』という大きな問題につきあたりました。

●ふつうのスピーカーを解析してみますと、周波数によって、音の成分が耳に到達する時間に差のあることがわかります。その現象を徹底的に抑えて、すべての周波数の間の時間差をなくすことができれば、私たちはより正確な再生に近づくことができるのではないだろうか・・・・・・?

●その発想の正しさを証明してくれるのが、その結果として出来上がったこのスピーカーです。九つのパートに分かれた弦楽器の、微妙な秦法の織りなす響きの、輝きとかげりが、みごとに再現されていくのを、私たちは、はじめて体験することができます。

●その弦の響きのなかから木管・金管による動機(モティーフ)が点描的に提示されていきます。各動機の性格描写のための遠近感が鮮やかに浮かび上がってくるのです。

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