TIMEDOMAIN

Timedomain University Top

Timedomain University



20120126 01「オーディオ」「音響工学」
良い音で聴くには。室内音響

部屋で聞いてる音の半分以上は部屋の音です。

  • スピーカーから出た音は、直接耳に届く (直接音) と部屋のあちこち (床、天井、壁、家具) で反射して届くことになります。
  • 一般に聴いている音の半分位は反射音です (部屋によって大小はあります)。

ではどうすれば良い音で聴けるか?

  • スピーカーの音は良いはずです。タイムドメインシステムの場合。    (従来システムの場合は部屋の響きの助けを借りて、良くしようという考えもあります)
  • 反射音はスピーカーの良い音を損なわずそのまま反射するようにするのが理想的ですが、なかなか理想にはならないので工夫が必要です。

(閑話)
何年か前、インドへYoshii9を納めに行きました。
昔の教祖の部屋が大事に保存されていて、他の人はめったに入れませんがそこへYoshii9を。
いただいた白い手袋と靴下を履いて,入ると白大理石の部屋、壁も天井も床も白大理石で鏡面に仕上げられています。

普通使われている大理石の板ではなく、構造体そのものが大理石なので手で叩いても完全な剛体であることが分かります。

Yoshii9を置いて、試しにDiscManをつないで音を出すと今まで聴いたことのない素晴らしい音。
直ぐに責任者の女性が来られたので、ケルンコンサートを鳴らしたら、10秒もしないうちに涙をぽろぽろ流されました。

吸音としては手繰り寄せてある厚いカーテンが理想吸音となってるようです。
基本の考え:反射はスピーカーの音を損なわないように。吸音は変な音を反射しないように(50%の吸音材は50%の反射ですから)


(閑話)
45年前自宅(音の郷田原本)を建て替えるのに試聴室をつくろうとしました。
当時バイブルとされていた加藤鉄平さんの「リスニングルームの作り方」ラジオ技術社。に忠実に理想の部屋をつくろうとしました。
工務店の協力も取り付け、会社のスタッフと測定器を動員し普通にはできない努力をしました。

・部屋の縦横高さの比率 ・平行面を作らない ・遮音特性 ・残響特性 ・吸音率 ・フレキシブルボード
・プラスターボード ・吸音材 ・空気層 ・周波数特性
あらゆるデーターが理想(加藤鉄平)となりました。

で、どうだったか

当時の定説を無視して、自分が考え納得して積み重ねてきた会社の自分の試聴室を超えることはありませんでした。 苦労の割に大したことはなかった。自分の考えで進めていた会社の自分の試聴室のほうが良かった。

大事なこと:定評説を丸呑みしない。数字で考えない。納得できる効果のあることをする。

今日の講義はここまで、次を楽しみに

20120110 01『オーディオ』休講再開第一回目の講義
本当のステレオとマルチモノステレオ
  • 世にステレオと言われているもので本当のステレオ(True Stereo 立体再生)はあまりないでしょう。
    タイムドメインは理論も技術も製品も本当のステレオです(唯一かな?)
  • TrueStereo(立体再生)は録音した音場をそっくり立体的にオーディオ装置で再生するという考えです。
    音源(楽器や物音)の方向だけではなく、音源の大きさ、遠近も含めてあたかもその場に居るように再生するのです。
    ちゃんと収録されたソースをタイムドメインでちゃんと再生された人には分かってるはずです。
    そこに楽器がファンタムに再現されているので何処で聴いても良いのです。
  • Stereo(一般のステレオ)はどうでしょうか。
    これは残念ながら音の方向しか分かりません。
    一つの音源の音が右のスピーカーから強く聞こえれば右寄りに、左が強ければ左寄りに、左右が同じ強さだと中央から聴こえます。
    真ん中すなわち三角形の頂点で聴かねばなりません。
    右寄りで聴くときはアンプのバランスつまみを調整して、近い右のスピーカーの音を小さくして左右の音量を合わすように調整せねばなりません。
    一番右端の音は右スピーカーの位置から左端は左スピーカーの位置から、その間のいろいろな方向から音が聞こえます。
    左右のスピーカーの外側からは聴こえませんし、遠近は分かりません、音像の大小も分かりません。
    遠近は音色の違いでわずかに感じるだけです。遠い音は小さくてぼけているという経験です。

ステレオの収録

  • TrueStereo録音は原則二つのマイクで録音します。
    メインマイク以外に補助的のマイクも使いますが、2本のマイクで録音、2本のスピーカーで再生が原則です。
    クラシック系の録音はだいたいこんな感じですが、やたらの多くのマイクをたてるレーベルもありますしそれを好むエンジニアーも居ます。
    映画は撮影現場で録音してしまいますので、TrueStereo的録音が多くリアルな音場を楽しめます。タイムドメインならスピーカーは5.1本も要らない。  
  • もう一つのStereo録音(マルチモノ)は音源毎にマイクを立てパンポットで左右に振り分ける方法です。
    ポップス系はこれが多いです。(ホワイトボード参照)
    一つのマイクが拾った音をパンポットで右左に配分します。ミキシングコンソール(調卓)にはこれがマイクの数だけ並んでます。
    他にマイク毎にボリュームコントロールとトーンコントロールがあってこれをいろいろ組み合わせて、ステレオマスターをつくります。
    この作業はマイク毎の音をマルチチャネルレコーダーに録音しておけば後で出来るので、編集作業は後でするのが多いです。
    楽器毎に録音するのでプレーヤーが一堂に集まって同時に収録する必要もないので、よく使われています。
    一つ一つのマイクはモノラル信号ですから、彼方此方から音が聞こえても全てモノーラルの音です。(マルチモノ)
ホワイトボード ホワイトボード(PDF)

ステレオの再生

  • TrueStereo(立体再生)には時間情報の微小分迄再生する必要があります。タイムドメインシステムは必要条件をクリヤーしています。
    普通のシステムは成分の音量再生しかできないのが一般的だから、せっかくの音源も右左オーディオ的再生になってしまいます。
  • マルチモノ録音は一般のオーディオを一応の対象をしておりますので、一般システムでも特に不満を感じないんでしょう。
    TrueStereo(立体再生)が出来るスステムでは当然立派に再生できますし、マルチモノで拾った立体性分も再生しますので、リアルさは増します。

リアルな音像が必要

  • 音像がしっかりするという事は全ての成分が音像に結集している事ですから、よりリアルな音となります。
    反対にしっかりしないのは、ピンぼけ色ずれの写真と同じです。
  • JAZZなどの例。マルチモノ収録にくらべて、ステレオ収録はプレーヤー間の雰囲気迄再生できます。
  • GS-1は超高性能なので、常識で経験した事のない現象を経験します。
20101206 01『オーディオ』『スピーカー』『音響工学』
Q. どうしてスピーカーから離れたところから音が聞こえてくるのですか?

A.
左のスピーカユニットの位置から聴こえるのは左だけの成分、右のスピーカユニットの位置から聴こえるのは右だけの成分。右左の成分が同じなら、右左のユニットの真ん中から聴こえます。

一般に右左の成分は何らかの関係を持っていますので、関係にしたがった位置から聴こえ、ユニットの位置からは聴こえません。
それでもユニットの位置から音が聴こえユニット〔スピーカー)の位置から聴こえるのは何故でしょう。
歪みがあるからです。

歪みは右左関係なく独立して歪みます。右左固有の成分ですから、左右のユニットの位置から聴こえます。
何処から音が出ているか、スピーカーの位置が分るのは、歪みの多いシステムです。
歪みの影響は☆Fドメインで言う所の『高調波歪み」、より☆Tドメインで言う所の☆『時間歪み」の方が大きいです。

音の出る位置がはっきり分るシステム程、歪みが多く、忠実度が低いと言えます。
☆ソースがチャンとしておれば、TDシステムはユニットの位置以外から音が聴こえる筈です。

20101206 02『オーディオ』『音響工学』
Q.良い音とはどんな音ですか?

A.
良い音、と言う言葉は至る所で使われ、それぞれの使われ方は千差万別です。
オーディオ技術がともすればオカルト的に扱われる原因にもなっております。 音の評価、音質評価の研究も学会やマスコミなどに発表されておりますが、乱暴に纏めれば「好ましい音」が良い音とされてるようです。

タイムドメインは研究開発において、よい悪いと、好き嫌いを分けて考えるようにしてきました。
好き嫌いは個性の問題ですので、よい悪いが研究開発の尺度です。
忠実度の高いものを良いとしております。好き嫌いとは別問題としています。

忠実度は音楽再生の忠実度です。これは測定器では測定出来ません。
耳で聞いて測定しますが、それでは主観的になりかねません。
タイムドメインでは信号源は音楽ソース、測定器は耳、と言う考えで客観評価の方法を開発し、活用しています。

忠実度が最高になれば好き嫌いは無くなると考えます、忠実度の高いのは嫌い、と言う人達もいるかも知れません。
タイムドメインはこの考えで、イコライザーやリバーブなど色付けを排しております。
お客様がタイムドメインシステムに色付けされるのは排しません。
タイムドメインは忠実度の高いのを良い音として開発しております。



モデル図
忠実度再生
20101206 03『アンプ』『オーディオ』
Q.どうして振動を減衰すると音が良くなるのですか?また、振動とは何ですか?

A.
スピーカは別として、アンプやその部品などの振動が音に影響するとの考えが何となく普及しているようです。  試行錯誤的にある程度成果もあげてられるようですが、振動はタイムドメイン技術の重要要素です。  電磁界の中の導体が振動〔横振動〕すれば、フレミングの法則で振動に応じた電流が生じると思われています。  それもありましょうが、それは微々たるものです。

タイムドメインが言ってる振動は縦振動です。一般に思われてる振動は横振動です。
電線が揺れたり、波打ったりするのが横振動、電線を伝わる圧力の波が縦振動です。
糸電話の糸を伝わる振動が縦振動です。地震のP波が縦振動です。

パーツに電流や電圧や熱が加われば、圧力〔応力〕が発生します。伝わった圧力がパーツに加われば、電圧や電流が発生します。 縦振動〔圧力波〕で音が変わる〔損なわれる〕メカニズムです。

20101206 04『スピーカ』『オーディオ』『音響工学』
Q.lightやminiはなぜ卵形をしているのですか?

A1.
従来のボックス型は6面のパネルで構成される。6枚のパネルのバイブレーションパネルバイブレーションとその害は後日の授業で

A2.
板の剛性は厚さの3乗に比例するが、厚くしなくとも一寸曲げるだけで剛性は飛躍的に向上する。 紙を曲げて実感出来る。 卵の殻の厚さと材料で箱を作れば、どうなるか想像出来るでしょう。

A3.
振動板からの音の波が乱れずスムーズに流れる。全方向に均一に角の反射や乱れが無い。ステルス機、航空機。車、流体力学 箱形では絶対出来ない特徴です。

20110208 01『オーディオ』『スピーカ』『音響工学」『音楽』
低音について、低音再生の性質、遅れと分解能

各種スピーカの群遅延特性です。第8図 1980測定

  • 位相特性を微分すると、群遅延特性が求まります。
  • オーディオ関係、音楽関係、一般の試聴者、2,3名ずつに各種の音楽を聴いて頂き、遅れ感の大小に従って並べて頂きました。不思議に皆さんの評価順は一致します。
  • 群遅延特性をその順に並べると、これも予想通り納得出来ます。
第8図

考察

  • 遅れ感(物理的にも遅れてます)は遅れの絶対値では無く、周辺への遅れです。
      全帯域が一斉に遅れれば、遅れ無いのと同じ。
  • 共振性の強い、共振を利用して低音成分を再生しているシステムは全て大なり小なり遅れる。
  • 再生低音の試聴感は、周波数特性よりも群遅延特性(時間特性)に関係する。
  • 遅れが多いと、重い低音となる。高度音楽性が損なわれる。

低音が共振性であると音楽的には

  • 低音楽器の再生が困難
      音程が分らない、音色の違いが分らない。切れが悪くずるずるつながる。
      アルコでも、ピチカットでも上記の印象。
  • 歌い手の評価が下がる
      頭に低音成分がついてこないと、頭が確りせず、口先で、のどだけで歌ってるように聴こえる。
      一流歌手は、ピアニシモの発音でも頭は確りしている。
      低音成分が遅れると、女性歌手の声が、本来無い、胴間声的成分を含むようになる。
  • 全ての楽器も同じ
      頭のプリっと言うところが再生出来ないので、楽器も弓も弾き手も、いちだん低く評価される。
  • これらの特性は周波数特性イコライザーでは補正出来ません。時間的に崩れたものは戻せない

タイムドメインスピーカー

  • GS-1もYoshii9もMINIもlightも低音再生に共振を利用しておりません。