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- 崩壊&消失する音
- 崩れた音や消えた音はもとに戻らない
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砂の城
じりじりと照りつける砂浜で、夢中になって砂遊びをした経験はありませんか。一生懸命作った砂の山や砂の城が満ち潮によって崩れてしまって、なんとなく切ない思いをした、なんてことも一度ならずともあるのではないでしょうか。
このように砂の城は時間と共に崩れます。城だったか、何だったか分からなくなります。終いには跡形もなくなります。こうなっては元へは戻せません。残るのは思い出だけということになります。
オーディオも砂の城と同じ
オーディオの世界でも砂の城と同じことがおこります。時間とともに音が崩れて、ニュアンスが分からなくなります。Dレンジが小さくなって音の大きさや迫力が低下します。細かい楽音や物音が聞こえなくなります。
わたしたちはこれを「フィディリティーのエントロピー」と呼んでいます。
エントロピー(無秩序性の大きさ)
熱いコーヒーは時間が経つと段々冷めていきます。反対に周囲温度はコーヒーの熱で上昇します。コーヒーと周囲温度が等しくなると平衡状態になります。周囲との温度差は無くなります(エントロピーは無限大)。熱力学第2法則。
元に戻らない非可逆現象
コーヒーは自然にはそれ以上冷たくなることも、熱くなることもありません(エントロピーの減少)。
エントロピー(無秩序性の大きさ)は一方的に増加するだけで、減少することはありません。
周波数ドメインのひずみは補正が可能
ところでもう一度砂の城のことを思い出してみてください。
確かに城(形)はなくなったわけですが、砂(成分)がなくなったわけではありません。
直線ひずみ(周波数特性)や非直線ひずみ(高調波ひずみ)などは補正したり元に戻したりできるわけですが、これらのひずみは砂の城にたとえると砂という成分にあたるものだからです。
崩れた音や消えた音は元に戻せない
しかしながら、崩れた音や消えた音は元に戻せません。
これらはどこで崩れても同じです。たとえばアンプで崩れたり消えてしまった音をスピーカーで取り戻すことは出来ません。
音が崩れないよう、消えないようにするのが、新開発の技術であり、また今後の課題でもあります。
元の成分を保とうとするのがフレケンシードメイン
元の形を保とうとするのがタイムドメイン
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