・白磁のパイプオルガン「マイセンの孔雀」
世界初、40鐘のマイセン・カリヨンを備えた「白磁のパイプオルガン」、3世紀の時をへてザクセン王アウグスト2世の夢が日本の横浜で甦る。
白磁のマイセン・カリヨンと白磁のパイプオルガンを組み合わせた、世界初の楽器です。高さは5mあり、孔雀が大きく羽を広げた部分は40鐘の白磁カリヨンが懸かり、これと下段の49本の白磁パイプオルガンを組み合わせています。パイプオルガンとともにカリヨンを演奏すると両者の音色が響きあい、荘厳で優美な音楽を奏でます。この楽器は18世紀初頭、ポーランド王でザクセン選帝侯でもあったアウグスト2世が夢見た楽器でした。王はマイセン白磁器製作を進めたことでも知られています。
1732年アウグスト王は、膨大な白磁のコレクションを収蔵するために日本館の建造を命じ、その際白磁の楽器を建造するように命令書を発しました。それには”オルガンは946のパイプと51のカリヨンを用い、すべてのパイプとカリヨンが演奏に従い響きあうこととする”と書かれていた壮大な楽器でした。しかし翌年その実現を待たずに王は亡くなり、白磁の楽器の構想は王とともに静かに眠っていたのです。
その楽器が、マイセンマニュファクチャー協力の元、三井不動産、Jehmlich(イェームリッヒ)オルガン工房によって甦ることになりました。2006年アウグスト2世が磁器楽器製作を命じて以来273年のときをへて、世界初、画期的な白磁のパイプオルガンが完成しました。その楽器は「マイセンの孔雀」と名づけられました。今この横浜の地でアウグスト2世の夢見た楽器が甦り、天上の音といわれるほどの美しい音楽を響かせるのです。
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