私、シミュレーションが趣味なんです（笑）。欲しいと思ったものは、手に入れたときのことをあれこれ想定して、気に入らない点がいくつか出てきたら失格。このスピーカーは関門を次々と突破して、もう現実化しかない、というところまで到達しています。
　オーディオは一応こまごまと揃えていて、就寝時には、携帯用のプレーヤーに小さなスピーカーをつないで聴いているんです。旅行に便利な、紙を組み立てたような簡易的なものですけどね。あまり大きな音では音では聴かないし、これぐらいで十分かなと思ってたんです。でも、この"ナイトキャップ"の比重が私の中でどんどん高くなり、今までの音質にちょっと満足できなくなってしまって……。
　いろいろ探してここ最近、インターネット上でやっと出会ったのが、タイムドメイン社の小型スピーカー。これを私があきらめていた部分を一気にクリアしてくれたんです。携帯用プレーヤーやパソコンとかって便利なのが第一で、音質までは期待しないものでしょう？でもこれはそういった類のツールにも、こんな底力があるということを教えてくれるスピーカーなんです。デザイン云々よりも、コンセプトに心打たれてしまいましたね。
　そうしたら"まずはどこに置こうかな"ってシミュレーションが始まって（笑）。私の場合は寝るとき用だから、どの程度まで音量を絞っても心地よく聴けるのかと想像したり……。あとはもう、私にとって絶対欠かせないナイトキャップ、デビッド・トゥープやスコット・トゥマの曲を聴いてみて、合格だったら決心するつもり。でも、すでに頭の中は夢見心地なんです。さぞや、気持ちいいに違いないって。（文＝小林あつこ）

Tamaki Ogawa
映画『PUプ』で女優デビュー。その後も『SFサムライ・フィクション』『Stereo Future』『ピカレスク』などの映画に出演。またTV、CF、舞台などで活躍する一方、写真家として本人撮り下ろしの写真集『またたび紀行・ブルガリア編』（ロッキング・オン）や、フォト＆エッセイ集『Mexicoガイコツ祭り』（ピエ・ブックス）を発売するなど、多方面にわたり活躍の場を広げる。

TIMEDOMAIN mini
大手音響メーカーの研究所長であった由井啓之が確立した「タイムドメイン理論」。彼が独立し、その理論に基づき開発・生産されるスピーカーがこれだ。2000年7月に発売され、かのビル・ゲイツもその音質に感嘆したという円筒状のスピーカー「Yoshii9」に次ぐ第２作であるアンプ内蔵で高さ185mmという小型ボディながら、音源を問わずクリアで迫力ある音を再現。簡単なセッティングで気軽に最高のサウンドを楽しめる。\18,000（1セット）＜タイムドメイン南青山試聴室・月笙tel.03-3475-4649＞