TIMEDOMAIN
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B-ing関西版2001.8.8号

編集部が選んだ今週の最優秀技ありカンパニー

大ブレイク直前!

独創的スピーカーでオーディオ新世界を招く音響ベンチャー

 案内された部屋には筒型と卵形スピーカーが。そのあまりにもシュールな形状に思わず腰を浮かせて眺めていると、タイムドメイン社の由井啓之社長は風のようにドアから入って来た。名刺交換する前に、いきなりスピーカーON。
 その瞬間。オオーッ…取材陣の口からは歓声ともため息ともつかない声が。
 「こっちに来て。ホラ、今度はあっち」。子供のようにうれしそうな由井社長にいわれるがまま、部屋のあちこちで聴き、廊下に出て聴く。どこで聴いても、とにかくライブ演奏しているようにしか聴こえない。なんでそんなにリアルな音になるのかといえば、それは独自の『タイムドメイン理論』に基づいて作られているからで、要するに」えーっと(同社のホームページ参照してください)なのだ。
 とにかく今までのオーディオ理論とは異なる新しい理論なので、それを製品として実現するには大変な困難が伴った。同社初の製品『Yoshii9』発売まで、創業から4年。その間会社は何度もメンバー離散や倒産の危機に遭う。そのたびに危機を救ったのは、まだ製品とは呼べない試作品スピーカーから出てくる“音”そのものだった。売上ゼロ、担保なしで地元信用金庫に融資を頼みにいった時にも、担当者は試作品の音を聴いて、申請書の下に“聴かなればわからない”とコメントを添え上司に提出。最後には理事長までが聴きに来て、結局3500万円の融資が実現したという。
 「Yoshii9を発売できたのは、そんな支援のおかげ」と由井社長。試聴会で即購入したユーザーの口コミなどでタイムドメインファンは急増し、今年5月末には『TIMEDOMAIN mini』も発売された。「小さいけど音はYoshii9に劣らず本物。1万8000円です。」ほしーいっ!いまだ名刺交換もせぬまま叫んだ取材陣であった。
取材・文/中瀬祐美 撮影/福永浩二
ここに技あり 【スピーカー】 従来のオーディオ理論とは異なる『タイムドメイン理論』に基づいたオリジナルスピーカーを開発製造している。創業から4年かけて、昨年6月販売された『Yoshii9』、今年5月末販売のスピーカー『TIMEDOMAIN mini』とも、一度聴けばわすれなれないリアルな音像が評判を呼び、販売網未確立にもかかわらず、口コミのみで、ジリジリと売上とファンを増加させている。
「理論を実現したらこんなパイプ形状になってしまった」という『Yoshii9』(30万円) 理論を実現し製品化するまでに、いくつもの試作品が作られた『Yoshii9』第1号。なんと茶こしが応急部品に使われている。
5月末から口コミで1000台以上を売り上げる『TIMEDOMAIN mini』(1万8000円) パソコン、TV、ディスクプレイヤー…何でもジャックプラグをさすだけで感動の音
スピーカーの素晴らしさに、いつまでも座り込んで聴いていたくなる同社の試聴ルーム
独創的スピーカーの生みの親。カリスマ音響エンジニアの由井啓之社長。
独立の15年前、オンキョー在職時に社長が開発し海外グランプリを受賞したスピーカー『GS1』当時200万円以上した。
スタッフはみんな、社長の試作スピーカーの音に“一目惚れ”して入社してきた